1月からスタートしたコスタリカでのシーズン。前期のリーグ戦とカップ戦が終了した。
2月末に開幕したリーグ戦は、全8チームでホーム&アウェー、14試合を戦い順位は2位でフィニッシュ。コスタリカではその後にリーグ戦の上位4チームでトーナメント戦を行い、チャンピオンを決めるという仕組みになっており、私が所属するエレディアーノは3位のチームと準決勝を戦った。準決勝・決勝ともにホーム&アウェー方式(以下H&A)による2戦合計の結果で勝負が決まる。
準決勝の1stレグはアウェーにて1-0で勝利したが、2ndレグのホームでは0-3で逆転を許し、準決勝敗退に終わった。
余談だが、後に行われた決勝戦。コスタリカの女子サッカーで一番大きな大会のファイナルということで2ndレグ(最終戦)はスタジアムに1万4千400人の観客が集まったらしい。コスタリカという国の規模を考えると女子サッカーにこれだけの観客が集まるというのは他チームのことながら胸が熱くなった。
1月に予選を行ったカップ戦はリーグ戦終了後に予選の上位4チームによるトーナメント戦(方式は上に同じ)が行われ、こちらは決勝まで進んだが、1stレグ0-3、2ndレグ3-3の2戦合計3-6で敗れ、準優勝に終わった。
今回はコスタリカのコンペティションの仕組みや前期の感想、自分自身の内省を記録していきます。コスタリカの女子サッカーの様子は以前にもちょこっと書いているので、ぜひこちらも読んでみてください。https://karenencostarica.com/2022/04/29/%e3%80%8c%e4%bd%95%e8%8b%a6%e6%a5%9a%e3%80%8d/
まずはトーナメントについて。準決勝と決勝のどちらも2回試合があるというのは日本では経験したことがなかった。そもそも日本では女子サッカーだとトーナメントにおけるH&A方式はないし、日本サッカー界はノックアウト方式が好まれる傾向だ。私自身もH&A方式は大学のリーグ戦でしか経験したことがない。トーナメント戦におけるこの方式は初めてで、2週連続で同じ相手と試合をするという経験はとても新鮮で学びの多いものだった。まず個人的に2試合できるというのは有り難かった。初めて外国でプレーするということは、知っている選手は誰もいないし、各チームの特徴も全く分からない。トーナメントに入る前に予選やリーグ戦で一通り戦ったとはいえ、2試合程度で把握できる情報には限りがある。さらにリーグ戦とカップ戦とでは代表選手の有無が変わるため、相手も味方もメンバーが変わり戦った経験も一過性のものになる。よってトーナメントでは、1stレグで相手選手の特徴やチームの狙い、自分達との相性を90分間で出来る限り経験し吸収することが重要になった。2ndレグに向けて準備できるという点では相手も同じ条件であるが、そうした分析、点差によるメンタリティー、チーム戦術と個人戦術、などなど様々な要素を考慮し短期的に結果へと結びつける作業に純粋に面白さを感じた。実際今回はいち選手として個人戦術を立てるので精一杯で、相手の特徴と言っても90分間夢中で戦っていると曖昧な記憶頼りにもなってしまい脆い準備にはなってしまったのだが、それでも良い経験ができたことは間違いない。
確かにノックアウト方式はドラマ性が高く全国規模の大会では地理的な面も含めてやり易い方法ではあるが、トーナメントにおけるH&A方式はまた違ったサッカーの面白さを内包している。コスタリカの場合、小さい国のためやりやすさがあるのかもしれないし、女子はチーム数も少ないのでこの方式だと単純に試合数を増やすことができるという利点も大きいのかもしれない。ただ、日本でもこういった方式が取り入れられるのも面白いと思う。指導者と選手の戦術眼や準備力、観客の楽しみ方もより深められるものであり、日本でサッカー文化が根付くための一助になるのではないだろうか。
ここからは自分自身の振り返りを、と思ったのですが長くなりそうなので次の投稿に回そうと思います。気になる方はぜひ次のブログを読んでください!!!